時々、永住権の許可申請で許可を取るよりも帰化の方が簡単だから、帰化を申請するという方がいらっしゃいます。
個人的には、申請が簡単だからという理由で申請するのではなく、家族や親しい人との関係性や環境、人生設計、今後の希望などを踏まえて慎重に考えた方がよいと思います。
そこで、慎重に考えるための材料として、永住権と帰化それぞれの特徴やメリット・デメリットを以下に書き出してみました。
永住
永住とは、在留資格のひとつで、資格変更許可申請を行うことで取得できる資格です。
そして、永住権を取得すると、外国人は現在の国籍を保持したまま在留期限の制限が無く日本に住むことができるようになります。
他の在留資格では日本での活動がそれぞれ定められていますが、永住権の場合はその制約が無くなり自由な仕事に就くことができるようになります。
ローンも組みやすくなります。
ただし、外国籍を維持するため外国人登録をして7年ごとに在留カードを更新する必要があったり、長期出国をする場合は再入国許可の手続等が必要になったりします。
もちろん、参政権はありませんし、万が一退去強制事由に該当した場合は、国外退去の処分が下されることがあり得ます。
帰化
日本国籍を有しない者が、国籍法に基づき日本の国籍を取得して日本人となることです。
つまり、外国人に課せられている日本での活動内容の制約が全て無くなる代わりに、戸籍や選挙権、公務就任権などが取得できたり、日本の旅券を所持できたりします。
それに伴い、帰化が許可されると母国の国籍を離脱するため、元の国籍に戻したいと思っても戻ることは難しくなります。
似ているようで異なる永住と帰化。
それぞれの特徴を書くと、全く別の制度であることが分かります。
特に帰化は、家族全員で行うならよいですが、家族の内一人だけ帰化するとなると、ちょっとしたことで外国人に定められた制約を感じるようになるかもしれませんね。
弊所では、永住権の申請と帰化ともにご相談を承っています。
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